”木星はじめ遠い天体のうちいくつかが逆行から巡行に移り変わる前で、動きがほとんどなく停滞した雰囲気もあります。
そんな中、水星と火星が天秤座にあり、蟹座さまに直接影響のあるアスペクトもそれほど多くなく、10月は特に前半、更にどろ〜んとした時間帯になるかも知れません。あらためて天王星と海王星を振り返ることになりそうです。”
と書いたのですが、
個人的にもう9月の下旬にはなんだかよくわからないぼんやりした空気の中にどっぷりつかってしまって、まるで深海を探検しているような気分で毎日を送っています。
深い海の底から眺めた10月のホロスコープのポイントとしては、蟹座さまの誕生時太陽に対して、水星と火星が運行する天秤座がスクエアとなってしまうこと。
蠍座の金星が7日に射手座に移動した後から天王星と海王星、冥王星の他はこれといって目を引くメジャーアスペクトもないこと、の二つです。
山羊座冥王星時間のベーシックな雰囲気が漂う10月、と、いうよりも、もしかするとこの10月をスタート地点として長く悩まされてきた(?)山羊座冥王星時間の終わりが始まる気配かなとも思えるのです。
詳しく見ていきましょう。
憶えておいて損はない、この10月のこと。
これからの未来を考えるための、
蟹座さまだけのマイルストーン。
● 全体の動き
・水星:天秤座を逆行中です。初旬の24°から月末は20°に移動しているのですが、まず10°まで逆行するんですね。それから19日に巡行に転じて20°で10月を終えることになります。天秤座をウロウロしながら火星金星木星海王星冥王星(順不同)とアスペクトを形成していくので、じっとしていない印象があります。
・金星:天秤座22°から7日に射手座へ移動して24°まで運行します。
・火星:天秤座10°から10月30日に蠍座に入座して10月を終えます。19日と22日に木星、冥王星とアスペクトを形成します。
木星、土星、天王星、海王星、冥王星は逆行中。
・木星・土星:水瓶座を運行中。木星は22°でほとんど留状態で18日に巡行となります。土星が11日巡行へ。6°から7°とこちらもほぼ動きません。
・天王星:牡牛座で14°から13°。
・海王星:魚座21°から20°へ動きます。
・冥王星:山羊座24°でほぼ留です。7日に巡行となります。
オーブではありますが、土星と天王星がスクエア、海王星と冥王星がセクスタイルのアスペクトです。このあたりは、蟹座さま誕生時太陽にとっては山羊座冥王星時間のベーシックな空気感となっているものです。
新月は6日天秤座13°。満月は20日牡羊座27°です。
● 10月の動きと蟹座さまへの影響
水星と火星
冒頭のポイント部分に書いたように、この10月は蟹座さま誕生時太陽にとって特筆するべき事がほんとに少ないのです。強いて挙げればというか、これがポイントというのがスクエアとなってしまう天秤座の水星と火星。
10月のひと月びっしりとここに張り付いていて、そればかりかじっとしていないのです。
水星のアスペクトから眺めると、1日には冥王星とスクエアとなり、4日には木星とトライン、10日には火星とコンジャンクション、17日には金星とセクスタイルです。
一方の火星はというと、19日に水瓶座木星とトラインを形成し、22日に冥王星とスクエアとなります。
この二つの天体からは動きたくない、忙しくて動けない、やる事が多くて手がつけられない・・・という印象をうけます。どうかな。
10月の蟹座さまは、騒がしく行き交い回転する周囲のはしゃぎぶりを、少し距離を置いて眺めるのかな、と思うのです。そんな周囲を眺めながら、周りの空気と自分との距離を感じながら、内面への探求をせざるを得ない時間があるのかな?、とも考えます。
19日22日あたり、うんざりさせられたりイライラしたり、元気をなくしたり。保留にされていたりNOと言われていた事が急にOKになって慌てさせられたりして、自分のペースで動けない、振り回される。そういうイメージがありますね。場合によっては何か、思いがけないトラブルもあるのかも知れません。
2021年10月15日のホロスコープ |
海王星と天王星、そして冥王星
10月15日くらいのホロスコープを眺めると(上の画像)、海王星と冥王星のセクスタイルは見えますね。
画像にはアスペクトがないですが、土星と天王星もオーブでスクエアとなっています。
これらの組み合わせは、昨年から継続している山羊座冥王星時間の基調となっているトーンなんですね。
蟹座さま誕生時太陽に対して180°のハードアスペクトとなっている破壊と再生の象徴である冥王星の影響を、天王星はセクスタイルで海王星はトラインで調停してくれています。緩和してくれているのですね。
天王星は自己変革への道を示していて、ホームである魚座の海王星は高邁で理想的な精神性をもって衝撃を和らげているように感じられます。
そして同時に、冥王星が何ものかを崩壊させた後、蟹座さま誕生時太陽はこの二つの天体が示す未来へと向かう可能性があるように思えるのです。
天王星と海王星が運行している牡牛座と魚座は、60°の関係にあるハウスです。そこに10月の水星・火星の天秤座は150°のクィンカンクス。これはヨッドの関係と言えるのではないでしょうか。
誕生時ホロスコープ以外ではあまり意味のないアスペクトの型と言われますが、あえてここでは特別な緊張感を醸成するハウス関係の天体と考えてみたいのです。
誕生時ホロスコープでヨッドが示すものは「宿命」といわれています。
憶えておきたい2021年の10月
10月のホロスコープは、私の目と表面的な意識には、蟹座さまにとって何だかとってもラッキーでハッピーという雰囲気には見えないのです。どちらかというと、静かで孤独な戦いをイメージさせられます。
あるいは、特にこれといった何事もなく淡々とした日々が過ぎていくのかも知れません。でも、この10月はそんな日々の目に見えない部分では、確実に進行しているものがあると思われるのです。
なので、とても奇妙なことに、その事が「ものすごくラッキーで貴重」に感じられてしまうのです。
これからの数年、あるいはこの先10年間ほどの時間を考えると、その中でのその変化を2020年に垣間見た蟹座さまにだけ与えられた時間なのではないか、と、さえ。
この10月の蟹座さまは(もしかすると一部かも知れませんが)、これからの時間を過ごす蟹座さま自身を前もって体験するのではないか、あるいは、「その時」に使える”何か”を自分の中に掴み取るのではないか、と思います。
変な話ですが、2019年頃からずっと「嫌なこと、辛いこと、シンドイこと、乗り越えなければならないような障害はどうして起こるんだろう」と、割と真剣に考え続けてきました。だって、山羊座冥王星はそれ程のパワーがあったから。
実は最近その答えを得ていて、言葉で書いたり話したりするととても当たり前でなんの変哲もないことになってしまうような「答え」なのですが、実感がともなうと、言葉ではとても言い尽くせない「感覚」となって、自分の中に定着するのです。
今は、その「答え」を見つけたことで、以前のように、未来に怯えることは少なくなるのかなと、思っています。
多分、この10月から、長く続いてきた山羊座冥王星は終わりにむかっていくのではないでしょうか。何が崩壊させられて、何が再生されるのか。その答えの鍵を見つけるのが、10月の蟹座さまなのではないかな、そのために特別に用意された時間なのではないかな、と考えられます。
10月の新月は火星と重なるようにおきます。気持ちは揺れたり、逆に沈み込んだりと安定しないかも知れませんが、感情の波に飲み込まれずに少し引いた位置から、そんな自分を確かめる時間かと思います。
満月は満月で火星の反対側の位置となります。月に照らされる自分の中の何かのモチベーションを静かに眺めてみるのには最適の満月かも知れません。
● 誕生時太陽の角度ごとの蟹座さま
前半さん
9月の後半、いつもより2〜3予定くらい多めのスケジュール、トラブル、雑用に追いかけられて、少し疲れたかな、まだまだ終わらないかな、という気分ではないですか?前半さん。10月は、必死でしがみついてきたものを手放して、少しすっきりして、だけど、どこかぼんやりしている朝もやのような中を、ゆっくり歩き始める前半さんだと思います。
中頃さん
周りはこれという理由もないのに妙に興奮して賑やかに騒いでいて、でも中頃さんには何だかついていけない雰囲気があるんですね。ついていけないというよりも、中頃さんにとってそれはもう面白くも楽しくもない。自分でもどうしたのかなと悩む必要も落ち込むこともありません。新しい時間が始まっているという兆しなのです。
後半さん
ここ最近、現実と非現実、表と裏、過去と未来といったような二つの世界の間を行きつ戻りつしているような気分を感じている後半さんもいるのではないでしょうか。二つの世界の交わり切らない隙間に後半さんを苛立たせるものがあって、10月はそれが強く感じられることもありそうです。焦らなくていいです。確実に『時』は前に進んでいます。
カレンダーが11月に切り替わるといきなり空気が変わりそうです。月初はぼちぼちかも知れませんが、10日も過ぎる頃にはエンジンがかかって再始動の雰囲気が自分にも、周りにも感じられるようになるでしょう。
日々の雑務や仕事の忙しさから、楽しみや遊び心に溢れた忙しさに切り替わって、アクティブに動き回れるのではないでしょうか。
天のカレンダーには、星の配置、ハウスの巡りに、良し悪しは書かれていません。
運がいいとも悪いとも、書かれていません。
書いてあるのは、「ありのままの、それだけのこと」。
起きていること、起きたことに意味づけをするのは、私たちが特定の概念に支配されているからかもしれません。
どんな事柄も、あなただけに特別に贈られてきたギフト。
ただ、添えられたカードが読めない文字で書かれている、それだけの事なのです。
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