２０２０年トリプルコンジャンクションと蟹座さま。２

ホロスコープで探る２０２０年トリプルコンジャンクション

２０２０年トリプルコンジャンクションと蟹座さま。１　の続きです。

２０１８年現在の３天体（木星、土星、冥王星たちと蟹座誕生時太陽）

2018年9月5日のホロスコープ

　現在の木星　

このエントリーを書いている時（２０１８年9月５日）、木星は蠍座１７度を気持ちよさそうに運行しています。
昨年２０１７年１０月に蠍座に入座して以来、同じ水のエレメントである魚座を海王星が運行中で、木星と約１２０度の角度を形成しているために、妙に安定しているのです。



２０２０年を控えたこの時期に、木星と海王星が蟹座と同じエレメントに属する二つのサインを運行するのは、蟹座にとってのシグナルともいえます。
蟹座の太陽から見て、愛情を示す５室を拡大の惑星木星と、哲学を示す９室でより高く深い内面を目指す海王星が良好な状態を作り、道を示しているかのようです。

ここで木星は海王星のトラインという影響を受けた状態で、１０月の末には海王星とのアスペクトを外れ、１１月８日には次のハウス射手座に移動します。

２０１９年を射手座で過ごした後、いよいよ山羊座へと入座するスケジュールです。

　現在の土星　

土星は２０１７年１２月に自らのホームである山羊座に入座しました。最強の輝きを放ちつつ２０１８年９月５日現在、山羊座２度を逆行しています。
この土星は牡牛座２度を運行中の天王星とトラインを形成していて、木星海王星だけではなく、土星そして天王星もまた、蟹座の誕生時太陽とのアスペクトを作っています。

その影響を６月前半生まれの蟹座の皆さんは薄々感じているのではないでしょうか。トリプルコンジャンクションの前触れのように、山羊座土星とのオポジッションがもう始まっているのです。

ルール、制限・制約、法律を意味する土星と、変革の天体天王星。その調和と蟹座誕生時太陽へのアスペクト。
クロノス（土星）とウラノス（天王星）の伝説を考えると、土星は今まさに「山羊座の土星」の隠れた意味をより強調する状態になっています。

これは、蟹座さんの心のどこかで、あるいは形になった世界の中で、これまでと同じではない「何か」がゆっくりと動き始めるシグナルのように見受けられます。

土星は２０２０年１２月まで山羊座を運行し、クリスマスを迎える頃、水瓶座１度で木星と合一します。約２０年に一度、解放と制限が調和するグレートコンジャンクションです。

　現在の冥王星　

冥王星が山羊座に入座した頃のことを、覚えていますか？

冥王星は２００８年１月に山羊座に入り、逆行による射手座への戻りを経て、１１月に再び山羊座に入座しました。

この年、世界はリーマンショックと呼ばれる経済危機に見舞われ、アメリカでは初の黒人大統領が選出されました。冬を象徴する山羊座で、崩壊と再生の天体冥王星が「これまでの安寧」に対して大きな疑問を突き付けるような時代の幕開けとなりました。

日本でもその後、それぞれが大きな選択をする時期が幾度かありましたよね。

２００８年、２００９年あたりから、何か変だな、どうしちゃったんだろう、これまでとは何か違うな、同じなのに何も変わらないのに何かが違う、そんな疑問と向き合ってきた太陽星座蟹座さまもいるのではないでしょうか。

あれから約１０年私たち太陽星座蟹座は、この、なんとも付き合いにくいだけどどこか憎めない、山羊座冥王星と向き合ってきました。

そして今冥王星は山羊座１８度を運行中。
蟹座と同じ水のエレメントを１２０度の角度を形成して運行中の木星と海王星と、二つの天体を励ますかのように、６０度の角度で友好的なアスペクトを作っています。

黄色い丸は蟹座誕生時の太陽。オレンジのラインは木星、海王星、冥王星のアスペクト。
グリーンのラインは土星、天王星のアスペクト。

蟹座というサインに対して、おそらく、そこにあるであろう太陽に対して、天空のカレンダーは長い時間をかけてこれから訪れる「時」を準備してきたのです。


木星、土星、冥王星はこれ以降、次の目的地に向かって黙々と進むことになります。

もしかすると冥王星山羊座時代のクライマックスであり「目的」であったのではないか、と考えずにはいられないコンジャンクション。

その「時」への最後の道のりです。

ホロスコープで探る２０２０年トリプルコンジャンクション

約１年間に及びトリプルコンジャンクションと天体の動きを、ホロスコープを見ながら追っていきます。

２０１９年１２月。
山羊座：金星１９度、土星１９度、冥王星２１度。

前年２０１９年12月12日のホロスコープ。左上に金星土星冥王星が集中。

２０１９年の春分にはすでに土星と冥王星はオーブ６度の範囲に入っています。そこからそれぞれに逆行をし、やや離れて、年末に向けて運行していきます。

そして、２０１９年１２月１２日、山羊座１９度で土星と金星がコンジャンクションします。この時冥王星は２１度。オーブは２度です。つまり蟹座誕生時太陽と山羊座運行中の天体とのオポジッションは、すでにここから始まっているのです。

この金星の土星冥王星コンジャンクションを皮切りにして、約１年間、天王星海王星以外の天体が入れ替わりたちかわり山羊座で合を形成しつつ通過していくことになります。

２０２０年１月１４日
山羊座：太陽２2度、水星２3度、土星２２度、冥王星２２度。

2020年1月14日のホロスコープ。左下に集中する４天体のコンジャンクション。

金星に続いて、太陽と水星が山羊座を通過します。
木星は近づいてはいますが、まだ、オーブの範囲にも入っていません。

土星と冥王星はともに２２度。土星と冥王星のコンジャンクションとなります。
４つの天体のコンジャンクションとなりますので、前半のクライマックスと言えるかもしれません。

２０２０年３月２０日　春分図
山羊座：火星２２度、木星２２度、土星２９度、冥王星２４度。

２０２０年3月20日春分図。右側中央に火星木星もみえる。

太陽、水星が過ぎた後に火星が木星とともに接近しています。火星木星と冥王星のコンジャンクションとみていいと思います。

ここで興味深いのは、過ぎていった天体たちと、天王星海王星の干渉です。
太陽は土星、オーブながら冥王星と。水星は天王星と。火星、金星、木星は、海王星とそれぞれがセクスタイル６０度のアスペクトを形成します。海王星は冥王星にすら手を差し伸べているようです。

そして、ほとんどオーブですが土星が天王星とスクエア９０度のアスペクトで対峙しています。

春分図はその年の社会情勢を占う時に使われることもあります。
２０２０年の社会的メインテーマは、火星と木星、そして冥王星が担うのかもしれません。
山羊座を運行中の火星は、この後、冥王星、土星、とそれぞれコンジャンクトして過ぎていきます。

この後、４月５日頃、木星と冥王星が山羊座２５度でコンジャンクションとなります。

２０２０年６月２１日　夏至図
山羊座：木星２５度、冥王星２４度。（３０日に２５度で２度目のコンジャンクション）
水瓶座：土星０度。

２０２０年6月21日夏至図。右中央にややバラけた３天体の様子が見える。

ここで一度、土星が水瓶座へ抜けます。
木星と冥王星はまだタイトなアスペクトを保っていますが、土星が距離を置いていることで、ややゆとりを感じる状態です。

過ぎていった火星が、木星冥王星とセクスタイルのアスペクトを作ります。ここに微妙に海王星が絡んでいることから、何か水や海に関わること、あるいは石油に関することなどが、社会的な問題になっているかもしれません。

２０２０年９月２２日　秋分図
山羊座：木星１７度、土星２５度、冥王星２２度。

２０２０年9月22日秋分図。右やや上の部分に３天体。

オーブの範囲といえば影響下にありますが、かなりばらけていて、緊張感が少しほぐれた印象も受けます。

一方で、水星と火星が土星冥王星とスクエア９０度のアスペクトを作っているのが、少し気になるところです。水星は天秤座２４度、火星は牡羊座２６度。これらはそれぞれ蟹座誕生時太陽が蟹座の２４から２６度とスクエアを形成しますので、運行の速い天体ながら、グランドクロスとなってしまいます。

天王星が牡牛座１０度、海王星が魚座１９度にあることで中和の効果を期待したいところです。

２０２０年１１月１３日から１５日
山羊座：木星２２度、土星２６度、冥王星２２度。

２０２０年11月13日のホロスコープ。左中央に集中している３天体。

１１月１３日から１５日の期間が、木星と冥王星のコンジャンクションをメインに、３つの天体が最も接近する時期と考えられます。

彩りを添えるように、他の天体がアスペクトを形成する時期でもあります。
おそらくここがピークとみてよいと思われます。

２０２０年１２月２１日　冬至図
山羊座：冥王星２３度。
水瓶座：木星０度、土星０度。

２００２年12月21日冬至図。右中央に冥王星から離れていく木星と土星の様子。

長い１年が過ぎていきます。木星と土星が水瓶座へ抜け、トリプルコンジャンクションの時期が終わったと見ても良い気がします。

時は、火星と天王星が引き継ぐ、「次の時間」へと移行します。
しかし最後の残り火のように火星と冥王星のスクエアが、蟹座の誕生時太陽とTスクエアを描いています。

ですが、２０２０年を過ぎてきた太陽星座蟹座にとっては、もはや何の影響も与えないカレンダーの数字になっているかもしれません。

なぜなら、ほとんど逃げ場のないトリプルコンジャンクションの１年の中にあっても、牡牛座の天王星、魚座の海王星が「調停」といわれるアスペクトを形成していました。

太陽星座蟹座さんが２０２０年を乗り切る鍵は、おそらく、ここにあると考えられます。


また、ここから先、山羊座を過ぎていった木星と土星は、来るべき冥王星水瓶座時代を予感させる事象を私たちの社会にもたらしてくれることでしょう。



「２０２０年トリプルコンジャンクションと蟹座さま。３」では、２０２０年を俯瞰し、太陽星座蟹座さんへの影響と対応策を考えてみます。


＊Free Horoscope Chart　さんのチャートを使用しています。https://freehorocharts.com/